02
モデルハウスの家 — 真っ黒は、ヒントの家
「絶対に真似したくない家を作りました」。そう言って公開した黒尽くしのモデルハウスの、本当の意図。
この家、公開のとき「絶対に真似したくない家を作りました」と言って出しました。逆説です。いま、動画を見て「これがいい」「あれがいい」と、みんな同じ正解に寄っていくじゃないですか。だから両極端を建てたんです。これ以上黒い家はできない、というところまでやると、見た人の中に「自分ならここを白にする」「床はオークにする」というヒントが生まれる。真っ黒は、ヒントの家なんです。

壁は場所ごとに、塗装・メラミン・塗り壁・クロスを使い分けています。全部同じ仕上げで揃えることもできますが、モデルハウスなので「私はこっちの質感が好き」と比べられるほうがいい。ちなみに水がかかる場所や物が当たる場所は、あえてクロスです。かっこよさとメンテナンスは、両方考えます。
14畳用のエアコン一台で、
20畳の吹き抜けが涼しい。
エアコンは、いまどき珍しく「あえて見せて」います。10軒あったら8軒は隠す時代ですけど、最近のエアコンはデザインがいい。それより大事なのは、14畳用の一台でこの20畳以上の吹き抜け空間が涼しい、ということです。見た目の話の裏に、断熱と気密の話がある。それを体感してもらうためのモデルハウスです。


洗面の鏡のドアを開けると、ウォークインクローゼットにつながります。洗って、乾かして、そのまま仕舞える。鏡は空間を倍に見せる道具でもあるので、トイレは壁一面、上から下までパコッと鏡にしました。2畳ちょっとの部屋が、倍に見えます。


中庭には、彫刻みたいな椅子をひとつ。分譲地の中でも、ここだけは誰にも見られない空です。もみじは最初から「絶対に植える」と決めていました。黒い壁に、秋の赤がいちばん映えるからです。夜は軒下の間接照明で石張りの壁が光ります。この家がいちばん美しいのは、日没後です。
2年間モデルハウスとして働いてくれたこの家を、次は住み手に渡します。照明の設定値も、夏冬の温湿度の記録も、全部つけて。
※本文はYouTubeでの紹介動画の文字起こしをもとに再構成しています。この住まいは販売中です
