中古マンションのリノベーションは、物件を決めた時点でできることの大半が決まります。買ったあとに「それは無理です」と言われないために、契約前に見ておく7つを挙げます。
買ったあとでは、変えられないものがある
マンションには専有部と共用部があります。室内の間仕切り・床・天井・設備は専有部なので自由に変えられます。ところが窓のサッシ、玄関ドアの外側、バルコニー、パイプスペースは共用部で、原則さわれません。「窓を大きくしたい」「玄関の位置を変えたい」は、ほぼ通りません。ここを知らずに契約すると、あとから設計の幅が一気に狭まります。
1. 構造 — 壁が抜けるかどうか
間取りを大きく変えられるかは、構造で決まります。ラーメン構造なら柱と梁で建物を支えているので、室内の壁はほとんど抜けます。壁式構造だと壁そのものが構造なので、抜けない壁が室内に立っています。図面の「耐力壁」の位置を見れば分かります。
2. 配管 — 水回りを動かせるか
キッチンや浴室の位置を変えたいときに効いてくるのが床下の余裕です。コンクリートの上に直接フローリングが張ってある直床だと、排水の勾配が取れず、水回りはほぼ動かせません。二重床なら数メートル動かせることがあります。玄関で床を軽く踏むと、直床は硬く、二重床は少し響きます。
3. 電気容量 — ブレーカーが足りるか
築年数が古い物件は単相2線式・30Aのままのことがあります。この状態でIHクッキングヒーターとエアコン2台を同時に使うと落ちます。分電盤と引込線を見て、単相3線式に変えられるかを確認します。建物側の容量が上限で変えられない物件もあります。
4. 管理状態 — 修繕積立金は足りているか
室内がきれいでも、建物が傷んでいれば長く住めません。見るのは修繕積立金の残高、長期修繕計画、過去の大規模修繕の履歴、滞納の有無の4つです。積立金が明らかに不足している物件は、入居後に一時金の徴収や値上げが起きます。総会議事録は仲介経由で取り寄せられます。
5. 天井の高さ — あと何センチ稼げるか
天井が低く感じる部屋でも、二重天井なら取り払って10〜20cm稼げることがあります。コンクリートがそのまま見えている直天井だと、それ以上は上がりません。設備の配管が天井裏を走っている場合もあるので、点検口を開けて確かめます。
6. 音の決まり — 使える床材が限られる
管理規約で床の遮音等級が決められている物件があります。「LL-45以上」と書いてあれば、それを満たす床材しか使えません。無垢のフローリングを敷きたい場合は、遮音材との組み合わせで基準を満たせるかを先に確認します。
7. 旧耐震かどうか — 1981年6月が境目
1981年6月より前に建築確認を受けた建物は旧耐震基準です。マンションの場合、個人で耐震補強をすることはできません。ただし旧耐震がただちに危ないという意味ではなく、耐震診断を受けている建物、補強済みの建物もあります。住宅ローン控除の要件にも関わるので、確認は必須です。
この7つは、現地で30分あれば見られます
床下点検口を開け、分電盤を見て、天井を叩く。ここまでで30分ほどです。当社は買う前の内見に同行します。宅地建物取引士と設計者が一緒に見て、その場で「この物件なら、この間取りが作れます」「これは見送ったほうがいいです」までお伝えします。
よくあるご質問
買う前の物件でも見てもらえますか?
はい、内見に同行します。売主様と仲介会社の許可をいただいたうえで、床下点検口や分電盤を確認します。費用はいただいていません。
管理規約や修繕積立金の資料は、いつ手に入りますか?
申込みの前に、仲介会社を通じて取り寄せることができます。総会議事録も同じです。契約後では遅いので、必ず申込み前にご相談ください。
物件の代金と工事費を、ひとつのローンにまとめられますか?
まとめられる住宅ローンがあります。物件と工事の見積もりを同時に出す必要があるため、物件探しの段階からご相談いただくとスムーズです。