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10 / JOURNEY

Ichion Contemporary — Osaka

ICHION
CONTEMPORARY

アートがなくても、建物自体がアート

  • 大阪・野崎町
  • 安藤忠雄
  • 幅約3m
  • 打放しコンクリート

2026.08.20 / 大阪・昼下がり

安藤忠雄さん設計の、大阪のアートギャラリーへ。外から見ると「何この細長い建物」。幅は約3mしかありません。この場所に、よく建てたな——と思って入ると、中は光の世界でした。

01ギャラリー

展示の「中間」に行った

In Between

ここは本当はアートの展示が結構頻繁にされているギャラリースペースなんですが、僕が行ったタイミングは企画展の中間の時間でした。ただ、行ってみると普通に建物は見ることができて、すごく綺麗な空間を見ることができました。僕が行ったときは入場無料だったので、すごい満足度の高い場所だなと。アートがなくても、建物自体がアートですね。

何この細長い建物。ビル狭間の、幅約3mのギャラリー
ICHION CONTEMPORARYのバナー 正面から。極端に細長い
02光

入った瞬間、光の入れ方

Light

細長いし、「この場所に、よく建てたな」みたいな。光も入るのかな、魅力的にできるのかなと思いきや——入った瞬間、やっぱり世界観。光の入れ方、建物自体のアートっていうところもあって、まさに展示されるものたちが光るような設計がされていて、光の入り方がすごく美しかったです。

正面のファサードから見てもわかるんですけど、十字に切った窓の作り方がいつも特徴的だなと思っていて。安藤さんは教会も設計されているから、その関係性かなと予測しているところもあるんですが、とにかくそこからの光の入り方が美しくて。惚れてしまうというか、ゆっくりしてしまうというか、ほんのりほっこりしてしまう。

彫刻の向こうに、光の壁。展示されるものが光る設計
光の壁の前の彫刻 奥の展示室。コンクリートと自然光 通路の絵と、打放しの壁
会期の合間でも、館内には作品がいくつか掛かっていました。それでも主役は、建物そのものです。
03無駄のなさ

必要なものを、
無駄な線に見せない

No Noise

完全コンクリートの無機質な空間なのに、この洗練された美しさ。本当に無駄がないっていうか、建築に無駄がない。無駄な線がない、無駄なラインがない。

もちろん商業施設なので、非常灯だったり、エレベーターだったり、扉だったり、いろんなものが必要なわけじゃないですか。なのに、それを全く感じない。それがすごいなって。外観から見てもポストの馴染ませ方だったり——この辺は戸建ての建築にもすごく応用が効くんじゃないかなと思って見ていました。

吹き抜けの見下ろし。スリットから光が差す
外壁のインターホンとポスト。馴染ませ方まで設計されている エレベーターの扉。存在を感じさせない
建築の目線

「無駄なものを付けない」のが美しいんじゃなくて、必要なものまで"無駄な線"に見せない。住宅に置き換えると、給気口、エアコン、スイッチ、コンセント、分電盤、点検口、雨樋、室外機、インターホン——絶対必要だけど、何も考えずに付けると建築のノイズになるものがいっぱいある。それをどう馴染ませるかが設計。

04階段

細い建物で、こんなに
ワクワクさせられる

Stairs

地下1階から地上5階まである建物ですが、僕が入れるのは3階までだったのかなと思います。それでも、この階段を上がっていくだけでもワクワクするし、楽しい。幅3mぐらいの細い建物の中で、こんな空間が作れて、こんなにワクワクさせられるんだっていうのに見惚れてしまいました。

そんな安藤さんの建築、おすすめの場所だなと思いました。今度はアートの展示があるときに、また行けたらいいなと思います。

階段。上がっていくだけでワクワクする
窓の外の緑と、コンクリートの見上げ スロープの通路 ICHION CONTEMPORARYの銘板
ICHION CONTEMPORARY
安藤忠雄建築研究所設計の現代アートギャラリー。2025年1月13日オープン(こけら落としは具体美術協会の「GUTAIは生きていた」展)。地下1階+地上5階、幅約3m
場所
大阪市北区野崎町9-7
時間
11:00–18:00 ※2026年8月時点
休み
日曜・月曜・祝日
料金
訪問時は無料(展示により変わる可能性あり。公式サイトで確認を)
行き方
Osaka Metro堺筋線「扇町」(出口5)徒歩6分/谷町線「東梅田」(出口4)徒歩8分/JR「大阪」徒歩10分
公式
ichion-contemporary.com

Afterword — 旅の、あとがき

必要なものまで、無駄な線に見せない。

給気口も、スイッチも、雨樋も。ノイズになり得るものをどう馴染ませるかが設計——この目線は住宅にそのまま持ち帰れます。旅はぜんぶ、仕事に還元しています。

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